すべり症とは
すべり症は、椎間板に異常が生じ、腰の骨である腰椎が前後にずれてしまった状態です。
多くの場合、前方のすべりによる症状と言われています。
加齢などが原因による「変性すべり症」は、閉経後の女性に多い傾向にあります。
骨の成長過程である成長期に激しい運動をしている子供や、スポーツ選手に多く見られる「分離すべり症」は、
疲労骨折が治らないまま分離した状態にしておくと分離症に移行します。
はっきりとした原因は明らかになっておりませんが、男性よりも女性で発生する確立が高く、車の運転が多い職業や座り仕事をされる方などもすべり症を引き起こす可能性が高くなることがわかってきました
症状
腰部脊柱管狭窄症と同じような症状が出ます。
歩行や立ち上がり、座り込みなどの動作が困難になったり、足から腰にかけてしびれや痛みがあります。
少ない距離なら歩けるのですが、立ったり・歩いたりしているとお尻や太ももの部分が痛くなって、歩けなくなります。
けれども、少ししゃがんで休めば楽になって、また歩けます。
歩ける距離は日によって違いますし、患者さんによっても異なります。腰痛は比較的少なく、全く腰痛がない患者さんもいます。
診断
痛む部分に原因があるとは限りません。
まずは、レントゲン検査にて腰椎のずれを確認します。
早期の発見や他の病気と区別するためにはMRIやCT撮影が有効です。
治療
当院では、「保存療法」を第一選択としています。
コルセットにより背筋の負担を軽減し、消炎鎮痛剤などにより症状の軽減を図ります。
また、リハビリにてストレッチや腹筋を中心とした腰まわりの筋力訓練なども有効です。
安静時に症状がある重症の場合、また排尿や排便に障害がある場合、そして保存療法で症状が改善せず、患者さんの希望がある場合は手術治療が選択されます。代表的な手術は固定術ですが、当院では行えません。手術を希望される方には、紹介状をお出しいたします。